磁気ねじとは,磁力により非接触で動力伝達を行う送りねじです。ナットとねじ軸が直接接触しないため,ボールねじやすべりねじと比較して低発熱での高速駆動が可能です。また,ねじ軸とナットの表面を円筒形状のカバーで封止しても駆動可能であり,ねじ山を露出させないことで洗浄作業が容易です。加えて,過負荷を受けた際の脱調特性と磁気ばね特性を利用した接触安全性を有する送りねじアクチュエータとしての応用も可能です。このようにメリットが多数ある磁気ねじですが,従来構造はらせん着磁磁石もしくは多数の小片磁石をらせん配置した構造であり,製作が困難でした。
そこで,少数の簡素形状の磁石で構成可能な新しい磁気ねじを提案しています。これまで,下記のアイディアを提案しています。
●ねじ軸を連結した超ロングストローク構造
●磁束集中を用いた高推力密度構造
●コンシクエント構造を用いた最小構成の磁気ねじ
●ナットの位置とねじの回転角情報を用いたセンサレス力制御手法
●磁気ねじの持つ剛性を任意の値に変化させる可変剛性メカニズム
●磁気浮上による完全非接触化
Akira Heya et al., "Disturbance Response and Force Control of a Magnetic Lead Screw Actuator", IEEJ Journal of Industry Applications, vol. 13, no. 4, 2024 (to appear).
Akira Heya et al., “Force Estimation Method for a Magnetic Lead-Screw-Driven Linear Actuator”, IEEE Transactions on Magnetics, vol. 54, no. 11, 8207805, 2018.
Akira Heya et al., “Structural Simplicity and Performance Comparison of Magnetic Lead Screws without Spiral Permanent Magnets”, IEEJ Transactions on Electrical and Electronics Engineering, vol. 16, no. 3, pp. 464-469, 2021.
鮎澤 颯(名大),部矢 明,仲田 佳弘(電通大),間宮 寿明(NBK),井上 剛志,磁束集中型磁気ねじの提案,第36回「電磁力関連のダイナミクス」シンポジウム(SEAD36),OS3-2-3,2024/06/26
他多数あり