多自由度空圧アクチュエータ

空圧アクチュエータは体積あたりの出力密度が大きく,空気の圧縮性による柔軟性を持つため,協働ロボットの駆動源としての活用が期待されています.

従来の空圧アクチュエータは直線往復運動のエアシリンダと,回転運動のベーンモータに代表され,1自由度運動のみ生成しています.しかし,これらを用いて多自由度運動を生み出す場合,複数の1自由度アクチュエータが必要であるためロボットが大型であり,狭小空間で活用できないという課題があります.

そこで,1自由度モータの組み合わせによる多自由度機構ではなく,1台で多自由度駆動可能な新たな2自由度球面空圧アクチュエータを提案しています.

2自由度空圧ステッピングアクチュエータ

MRI・CT 画像を見ながら術者が病変に針を刺すのみで肝・腎・肺などのがん治療や病変採取等を行う画像下治療が注目されています.しかし,MRI・CT 内は狭小空間である上,撮像面に金属が存在するとアーチファクトが発生し画像診断が困難になるという問題があります.

そこで,手術室外から遠隔操作する非金属性手術支援ロボットが開発されています.現在,針の姿勢変更機構として用いられる非金属の空圧モータは1自由度のみであり,また多自由度回転を実現する球面歯車機構では多数の電磁モータを必須とするためMRI・CT 環境下で使用できません.

そこで,樹脂のみで構成可能な,球状ギアに対する歯の噛み合いによって1台で2自由度回転を実現する2自由度空圧ステッピングアクチュエータを提案しています.